特急”くろしお”

 キハ81形−キハ80形−381系(紀伊本線)

 キハ81形
 この激しいボンネットタイプをはじめて
見たときは、完全に圧倒されてしまった。
 
 同じくボンネットタイプの電車、俗にいう
”こだま”型の気動車タイプとは思えない
風貌だった。
 
 阪和線 長居駅     S52.8.22.撮影

 日本最初の特急用気動車”キハ81形”。こだま形の特急電車のディーゼルタイプとは
思えないほどの重厚な風貌は、はじめて見る者を圧倒したものです。
 JNRの歴史の中で、非常に貴重な、また、個人的に大変好きな車両でした。

 昭和35年東北の特急”はつかり”として登場、昭和47年から、ここ紀伊本線の
天王寺に”くろしお”として登場。
 最終的には、キハ80形に押され、1編成のみが最終の電化直前まで運転されていた。

 キハ80形
 こちらは、キハ81形に続くもの。
 貫通型で、キハ81に比べてしまうと、
結構おとなしい風貌となった。
 



 阪和線 天王寺駅 S51.3.21.撮影

 81形に続き投入された80形。
 同様な風貌の181系を含めて、日本海縦断の特急”白鳥”など、非電化区間を
挟む各地で広く活躍するのでした。

 381系
 紀伊本線電化前に電車区に配置された
381系”くろしお”。 

 画期的な振り子構造で、高速コーナーを
可能とする独特な特徴と風貌に、思わず
見とれてしまうのでした。


 阪和線 鳳電車区 S52.1.1.撮影

 昭和53年10月、いよいよ紀伊本線の完全電化完了に伴い、381系振り子電車を投入。
 381系は、中央本線の特急”しなの”に投入、そのユニークな車体構造で話題を呼んだ。
 重心を下げるために、屋根の上にユニットは無く、まっ平ら。”振り子”電車といわれる、
車体を左右に大きく傾けるための、傾斜機構を装備、それにつれて、建築限界の確保を
行うためか、車体下部を絞り込んだ風貌になっていた。

 実際にこの381系に乗ったのは、中央本線の特急”しなの”号でした。
 天井はなかもやっぱりまっ平ら、カーブにかかり、普通に傾きだしたとたん、おもいっきり
車体を傾けるのでした。

 その後、平成元年には、天王寺の連絡線開通で、新大阪、京都までの乗り入れをはじめ、
一部新型283系の導入で”スーパーくろしお”となった。

 平成10年からは、381系”くろしお”も、車体、塗装の変更を行い、白に青いラインで
現在活躍中です。


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